2013年5月2日木曜日

Saudade suicide



ひとりでXXXXの駅前を歩くことは身体中をたくさんの針でちくちく浅くなんどもつつかれるのに似ていて、針で浅くつつかれるそれ事体によって死ぬことは絶対にあり得なくて、それを分かってもいるんだけど、最終的にはとても泣き出したくて逃げ出したい気持ちになる、そしてたまにサイダーのにおいによく似た亡霊の影を見る度に心から安堵する、ことに気付いて、iPodをバックパックから取り出してイヤホンを耳にねじ込んで世界でいちばんに優しい轟音を160GBから引っ張り出して、やっと少年の脳みそは真っ白になる、真っ白になる、真夏の空が落っこちてきそうな日曜日のサナトリウムの丘に干されていたぴかぴかの白いシーツのように。


自分を孕み、死を以って自分を捨てた、女を、思い出していた。
美しかった(ような気がするけれど本当のところはきっと特別そうでもない)。
ビールが飲みたいと思った。
16歳になったばかりの春の終わりだった。



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